インスタ映えするカロテノイド色素と食品の不思議
「カロテノイド」を含む食品
赤・橙・黄の色で思い当たる食品といえば、トマト・パプリカ・にんじん・かぼちゃ・スイカ・柿などが思いつきますね。そんな赤色の色素成分はカロテノイドという大きいくくりの色素に分類されます。このカロテノイドを細かく分類すると下の表のようになります。
カロテン類:炭化水素のみ
キサントフィル類:ヒドロキシ基(-OH)・カルボキシル基(-COOH)をもつ
カロテノイドのかくれんぼ
上の表を見てもらうとほうれん草が見られますが、黄色!?と思われる方がいらっしゃるかもしれません。緑色のイメージが強いほうれん草のような緑黄色野菜は実はカロテノイドの色が緑色(クロロフィル)に隠れているのです。葉が傷ついたり、しなびたりするとクロロフィルが分解してカロテノイドの黄色がひょっこり現れてきます。トマトやかんきつ類が成熟過程で緑色から黄色や赤に変わる現象も同じです。
プロビタミンAといわれる成分
上の表にあるカロテノイドの中でα-カロテン,β-カロテン,γ-カロテン,クリプトキサンチンはプロビタミンAであり、ビタミンAが生成される前段階の物質です。摂取したβ-カロテンは小腸で吸収され、脂肪組織に蓄積されるようですが、実は脂肪組織が黄色い理由がプロビタミンAの色素に隠されていました。ちなみにβ-カロテンの吸収率は約10~50%と幅広いです。これは一緒に調理する食品の影響、摂取する人の栄養状態・健康状態によって変わってくるからです。また、調理方法によっても変わってきます。生で食べるよりも加熱して食べた方が吸収率は上がります。
カロテノイドの主な作用
β-カロテンやリコピンという言葉(成分)をよく目にしたり、耳にしたりすることがあると思われますが、これらには強い抗酸化作用があることが知られています。カロテン類の中で最もがんの予防効果について報告があるのはβ-カロテンです。がんの原因は色々とありますが、その1つとして、過剰な活性酸素やフリーラジカルの生成による組織の損傷があげられます。活性酵素やフリーラジカルは太陽(紫外線)、タバコの煙や排気ガス、食品中の化学物質などにより体内で生成します。これらから身を守るために、酵素や抗酸化物質が必要となります。
活性酵素について詳しく知りたい方→生活習慣病やガンの原因にも!体を守り破壊する活性酸素
摂取における注意事項
ビタミンAは脂溶性ビタミンであり、過剰症に注意する必要がありますが、プロビタミンAは体内のビタミンAの状態に応じてビタミンAに変換されるので、プロビタミンAによるビタミンAの過剰症はないと言われています。しかし、β-カロテンの抗がん作用に関する大規模な投与実験では、逆にがんになる人が多かったという結果がでています。つまり抗酸化物質が必要以上に存在するとプロオキシダント(酸化促進物質)として作用してしまうのです。気を付けていただきたいことは抗酸化作用があるものは、老化遅延、がん予防、しみ発生抑制などいろんな効果を期待して摂取することはいいですが、やはり摂りすぎには注意が必要だということです。
また、カロテノイドは熱には安定ですが、酸素・光に対しては不安定です。料理をする際は加熱しても大丈夫ですが、食材を保存するときは袋やラップなどで包み暗い場所で保存しましょう。
最後に
食卓を彩る赤・橙・黄のカロテノイド色素の抗酸化について理解は深まりましたでしょうか?サラダに赤・橙・黄が入るだけでも美味しさが倍増しますし、食卓が映えますよ♪また、あなた自身も体の中からきれいになり輝けるのではないかと思います。サプリメントや健康食品などからの大量摂取は避け、日々の食事に赤・橙・黄の食材を入れていきましょう。
東 聖佳(せーかさん。)
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