健康と癒しをくれる栄養の宝庫お茶を科学する<茶葉編>
だんだんと寒さが増す今日この頃、我が家でもお茶を入れる頻度が多くなってきました。
お茶は様々な栄養素を持つ「栄養の宝庫」ともいわれており、抗酸化作用、風邪予防などの抗菌作用、リラックス効果などあなたの身体に健康や癒しをもたらしてくれます。
そんなお茶を色んな観点から科学的に解説していきたいと思います。
今回は<茶葉編>、緑茶も紅茶もウーロン茶もすべて同じ茶葉からできているって知ってましたか?
世界的嗜好飲料お茶とは?
お茶は世界各国で飲まれている飲料で、その国や地域によって様々な種類のお茶が好まれ飲まれています。
代表的なお茶でいうと、日本や中国では緑茶(煎茶、番茶、ほうじ茶など)が、イギリスでは紅茶が、台湾ではウーロン茶がよく飲まれていますね。
(中国でウーロン茶はそこまで飲まれていないようです。)
色や香り、味を比べると違うもののように感じますが、実はどれも同じ茶葉から作られたお茶なのです。
お茶はツバキ科カメリア属の常緑樹に分類されるものでカメリア属のなかでも数百種類も存在するといわれていますが、現在世界的に使われている茶葉は中国種とアッサム種ということです。
日本で生産されているのは中国種で、お茶の主要成分カテキンの量が比較的少なく、アミノ酸量が多く甘みが特徴の茶葉です。このカテキン量やアミノ酸量で甘みや渋みなどの味が決まるのですがこれはまたの機会にお話しします。
お茶の多様性を生む「発酵」とは?
お茶の分類には、産地などによる分け方もあります。
日本茶の中でも静岡や鹿児島などに始まりさまざまな地域で生産されており、土壌の違いなどからそれぞれに特徴をもったお茶が流通しています。
外国を見ても、中国茶、インド茶、セイロン茶などさまざまです。
そしてさらにお茶の多様性を生む要因として、作り方が挙げられます。
冒頭からお話しているように緑茶も紅茶もウーロン茶も同じ茶葉から作られています。
ではなぜ色も香りも味も違うのか?それは茶葉が「発酵」されているかどうかで変わってきます。
茶葉には酸化酵素と呼ばれる成分が含まれており、摘んだ茶葉をそのまま放置しているとカテキンが酸化酵素によって酸化され緑色から茶色へと変色していきます。
このように発酵が進んだ発酵茶を「紅茶」といいます。
この酸化反応が起こらないように摘んですぐに蒸気をかけて酸化酵素を働かない状態にすると非発酵状態の「緑茶」になります。
「ウーロン茶」はこの発酵(カテキンの酸化)を途中の段階で停止させたもの(半発酵)をいいます。
当然カテキンの量は緑茶が一番多いということになります。
原理的に言えば、どこの産地の茶葉であっても緑茶、紅茶、ウーロン茶を作ることはできますが、それぞれのお茶に合った茶葉というものがあり目立った流通はありません。
福岡のお茶といえば「八女茶」が有名ですが、最近では八女紅茶、八女ウーロン茶も作られているそうで、是非飲んでみたいです!
さいごに
いかがだったでしょうか。お茶にはいろんな種類があり、人それぞれ味や香りの好みがあると思います。なぜ違いが生まれるのか?今回は<茶葉>そのなかでも発酵に着目し解説をしました。
産地や作り方によって変わるものは味や香りだけではなく、含まれる成分にも違いが生まれます。
次回は、栄養の宝庫と言われるお茶の成分からカテキンに着目してお話ししたいと思います。
matsuki_takahiro
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