アンチエイジングに!味噌の種類によっても変わる抗酸化力
前回のナトリウム(食塩)に関する記事で、味噌に含まれる塩分では血圧への影響が少ないという研究結果があるとご紹介しました。
それ以来、味噌がもつ力に興味をもつ今日この頃です。
そこで今回は、アンチエイジングにも有効な味噌がもつ抗酸化力についてお話します。
味噌に含まれる栄養素
味噌の主な原料は大豆です。そのため大豆由来の良質なタンパク質が含まれており、発酵の過程でペプチドやアミノ酸に分解され、より吸収されやすい状態になっています。
その他にも、ビタミンB群、ビタミンEやミネラル、不飽和脂肪酸、食物繊維などが含まれています。
そして、大豆といえばイソフラボンですよね。イソフラボンは、コレステロール値の上昇を抑えるポリフェノールの一種で、女性ホルモン、特にエストロゲンと似た働きをもっています。
また、大豆レシチンは記憶力向上や加齢による認知症予防に効果があるといわれており、サポニンは血圧低下などの効果があるといわれています。
味噌にはこれらのような豊富な栄養素が含まれています。
味噌の種類(色)によって抗酸化力が変わる!
味噌に含まれるペプチドやアミノ酸自体にも抗酸化力を発揮するものがありますし、イソフラボンにも抗酸化力があります。
そんな中、味噌の種類による抗酸化力の比較をした研究で注目された成分があります。
比較された味噌は以下の通りです。
・米味噌(白)
・米味噌減塩(白)
・米味噌(赤)
・麦味噌(白)
・麦味噌(赤)
・大豆味噌(赤)
主原料の違いから、熟成期間など製法(上図)の違う6種類で抗酸化力を比較した結果、
1位:大豆味噌(赤)
2位:米味噌(赤)
3位:麦味噌(赤)
4位:米味噌減塩(白)
5位:麦味噌(白)
6位:米味噌(白)
ということです。
これは、見た目の色の濃さとほぼ同順になっていて、味噌の抗酸化力には色の濃さが関与していることが見えてきました。
この味噌の色味を決めているのがメラノイジンという物質です。
つまり、色が濃いほどメラノイジンが豊富で、メラノイジンが豊富であるほど抗酸化力が高くなるということです。
この研究報告以前の報告でもメラノイジンの抗酸化性は示されいて、今回その関係性がより明確になったのではないでしょうか。
また、先程説明したように大豆にはその他の抗酸化力を持つ成分も含まれていますので、より高い効果を示す結果になったのでしょう。
この研究報告はあくまで味噌の種類の各1品目を調査したものですので、各蔵毎に特徴は変わってくるでしょう。
さいごに
今回は味噌のもつ抗酸化力に着目してお話をしました。
味噌の色の濃さが抗酸化力の強さに関わっていることが分かってきました。
とはいえ、味の好みもあるかと思いますので、合わせみそなど活用しながら日々の食生活に味噌を(簡単なのは味噌汁ですね)取り入れてみてはいかがでしょうか。
味噌を使ってアンチエイジング!日本人的でいいですね。
参考文献
亀形恵美, et al. 味噌の種類による抗酸化性の比較. 學苑, 2009, 830: 27-29.
matsuki_takahiro
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