永遠のテーマ「アンチエイジング」研究の最新トピックス|睡眠・エピゲノム
2019年6月14日〜16日に行われた日本抗加齢医学総会に参加してきました。
抗加齢(アンチエイジング)は女性男性問わず永遠のテーマではないでしょうか。
今回は、診療医さんや、大学の先生、企業が、実際の患者さんの情報や、仮説をもとに行われた実験、統計データなどによって得られたアンチエイジング情報の中から睡眠・エピゲノムに関するトピックスをご紹介します。
睡眠時間とアンチエイジングの深い関係
良質な睡眠がアンチエイジングに繋がることは、何となくでも分かっているのではないでしょうか。
そんな睡眠についての報告からご紹介したいと思います。
睡眠時には深い眠りと浅い眠りを繰り返していますが、この深い眠りの時が成長ホルモンを分泌させる重要な時間であることが分かっています。
この深い眠りの質を上げるためには、まず適切な睡眠時間をとることが大事になります。
人は歳をとればとるほど睡眠できる時間が減ってきます。
睡眠時間が少ないことも問題ですが、寝すぎるというのもアンチエイジングにとっていい事ではありません。
特にシニア世代に多い例なのですが、体は6時間しか眠れないのに早めに床につき8時間も9時間も寝ようとします。
結果として、9時間床にいるのになかなか眠れない、早朝に目が覚めてしまうなど、睡眠の質が悪いと感じてしまいます。
このような状態が続くことで精神的な負荷となり、さらに睡眠の質を悪くするという悪循環に陥るそうです。中にはうつにまで発展する方もいるそうです。
睡眠薬の使用抑制のためにも定年退職を迎えたシニア世代は7時間睡眠を超えないことが重要ということです。
また、睡眠時間とBMIについても関連性があることが3万人の統計データから明らかになりました。
睡眠時間が少ない人ほどBMIは高い傾向にあり、7時間くらいの睡眠をとっている人がもっともBMI値が低いというデータが出ています。
先程の精神的な負荷による不眠にはコルチゾールというストレスホルモンが大きく関与していることが分かってきました。
日中に疲れやストレスなどを多く感じている人ほどこのコルチゾールが多く分泌され、夜の睡眠の質を低下させているのです。
疲れやストレスを避けることは難しいですが、寝る前にリラックスをすることで睡眠の改善を測ることは可能です。
以下の記事を参考にしてみてください。
今日から始められる上質な睡眠を手に入れるための7つの習慣
寝る前のストレッチで良質睡眠をゲット♪
遺伝子の働きを制御するエピゲノム
次にご紹介するトピックは「エピゲノム」です。
エピゲノムは聞きなれない言葉かと思いますが、ゲノムとついているので遺伝子関係の言葉だとわかる方もいるかと思います。
ゲノムは、生物に必要な遺伝子を含むものでDNAの塩基配列のことを言います。
この遺伝子配列は、産まれた時にはその構成が決まっているものです。
エピゲノムは、この元から持っている遺伝子の働きのオン・オフを決める役割を持っています。
アンチエイジングの研究においてエピゲノムは、多くの研究者が注目している分野で、エピゲノムと様々な病気や老化との繋がりが分かってきています。
エピゲノムは、生活習慣や食事、運動などを記憶し働くということで、その人の育ってきた環境でも働きに違いが生まれます。
例えば、遺伝子配列が基本的に同じである双子でも、段々と大人になるにつれて、生活習慣や環境が変わることで外見や病気のなりやすさも変わってきます。
不規則な食生活や、睡眠不足、過剰なストレスなどの悪い要因によってエピゲノムは悪い遺伝子のスイッチをオンにする。それが病気や老化となり表れるといったイメージでしょう。
エピゲノムはその人の過ごし方によって変化しますので、生活習慣や食事には十分に気をつけることが重要です。
さいごに
いかがだったでしょうか。
ちょっと難しい話もありましたが、簡単にいうと、睡眠や食事などの生活習慣を整えようということです。
そうすれば自然と遺伝子レベルでアンチエイジングができるでしょう。
次回は、同学会から栄養に関するアンチエイジングトピックスをご紹介したいと思います。
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