凍結融解?酵素分解?高圧抽出?全てのプラセンタを解説!
1・プラセンタエキスの種類
現在、抽出方法の違いにより以下のように様々なプラセンタエキスが市場にございます。
○凍結融解プラセンタエキス
1)生成方法概要
冷凍した生鮮肉を冷凍庫から出して放置しておくと肉汁が出てきます。これは肉の細胞から出てくる細胞液ですが、これと同じ要領で、凍結した胎盤を冷蔵条件下で解凍し、得られた細胞液を精製して得られるプラセンタエキスです。
2)長所
胎盤に圧力をかけたり、酵素などたんぱく質を分解させるような物質を添加したりしないため、胎盤の細胞液のもつ機能を極力損なわずに抽出するものである。そのため、機能たんぱく質やペプチドホルモンの機能を持ち合わせたエキスが得られやすいという利点があります。
3)短所
プラセンタエキスとなるのは融解して得られた貴重な細胞液部分のみであり、胎盤本体部分(肉部分)は残ってしまいますので、生産効率はあまりよくありません。
4)ステータス
この抽出方法は、プラセンタエキスの原料となる胎盤の由来が豚であれば、医薬部外品原料規格のプラセンタエキス(1)という国が規定した基準に適合するものです。
5)成分
コラーゲンや機能性たんぱく質や機能性ペプチド、アミノ酸が主成分となります。また、ヒアルロン酸などの肌の保湿を高める水溶性ムコ多糖類も含有されています。
○酵素分解プラセンタエキス
1) 生成方法概要
硬い肉を柔らかくするために酢豚などの肉料理にパイナップルを入れることがあります。それはパイナップルの中にプロテアーゼという蛋白分解酵素が含まれ、これが肉を分解するために柔らかくなります。酵素分解プラセンタエキスは胎盤にプロテアーゼを添加して胎盤のたんぱく質をアミノ酸レベル程度にまで分解し、液状化してエキスを得ます。
2)長所
胎盤の本体部分全体を液状化しますので栄養が豊富で生産効率が良いといった利点があります。
3)短所
胎盤が本来持つ機能性があるたんぱく質やペプチドも分解し、機能性を喪失してしまう恐れがあります。
4)ステータス
この抽出方法は、医薬部外品原料規格のプラセンタエキス(3)というものに適合するものであります。
5)成分
コラーゲン等のたんぱく質やペプチド、アミノ酸が主成分で栄養豊富です。また、ヒアルロン酸などの肌の保湿を高める水溶性ムコ多糖類も含有されています。
○高圧抽出プラセンタエキス
1) 生成方法概要
ブレンダーなどの粉砕機により粉砕した胎盤を、ポリエチレン製袋に入れて100MPa程度の高い圧力と低温加熱で処理する方法です。㈱東洋高圧が開発した超高圧装置により精製されるものがほとんどです。
2)長所
胎盤からの生産効率が良く胎盤がまるごとエキスになるという利点があります。
3)短所
高圧処理によって有用なたんぱく質までもが失活することも考えられます。
4)ステータス
化粧品には配合できますが、国の定める公定書に適合しないものもあります。
5)成分
コラーゲン等のたんぱく質やペプチド、アミノ酸が主成分となります。また、ヒアルロン酸などの肌の保湿を高める水溶性ムコ多糖類も含有されています。
○発酵プラセンタエキス
1) 生成方法概要
パン酵母などの食品に使われるような酵母で発酵することにより得られます。
2)長所
通常、胎盤は細菌によって腐敗し、猛烈な不快臭を発します。しかし、発酵により不快なにおいを極力抑えることができ、発酵プラセンタエキスの原液はにおいを極力抑えたものです。元のプラセンタと比較して、体内に吸収しやすくなった養分も含まれます。
3)短所
酵母が良く働く環境を作るためにブドウ糖のような糖質を添加する必要があります。また、機能性のあるたんぱく質も変質する恐れがあります。
4)ステータス
化粧品には配合できますが、国の定める公定書に適合しません。
5)成分
コラーゲン等のたんぱく質やペプチド、アミノ酸が主成分となります。また、ヒアルロン酸などの肌の保湿を高める水溶性ムコ多糖類も含有されています。
○油溶性プラセンタエキス
1) 生成方法概要
胎盤を細断して凍結乾燥したものを粉砕し、オリブ油ないしはゴマ油で抽出したものです。主成分(定量する成分)はレシチンです。
2)長所
油溶性であり、上記の水溶性のプラセンタエキスとは全く異なりますので、他のプラセンタエキスにないようなペプチドや蛋白質などと異なる効能が期待できます。また、基剤となるオリブ油(医薬品規格のオリーブ油です。)ないしはゴマ油によるエモリエント効果は高く、リップクリーム、ファンデーション及びオイル化粧品への配合が期待されます。
3)短所
上記の水溶性のプラセンタエキスとは全く異なりますので、ペプチドや蛋白質などの効能は基地できない恐れがあります。また、コラーゲンやヒアルロン酸などの効果も期待できないと思われます。
4)ステータス
医薬部外品原料規格の油溶性プラセンタエキスというものに適合するもので、国の定めた規格に適合します。
5)成分
オリブ油ないしはゴマ油、レシチン等の脂質
2.まとめ
プラセンタエキスにはさまざまな種類がございますが、薬機法の縛りのため化粧品の製品表示だけではなかなかプラセンタエキスメーカーのこだわりが見えてきませんが、メーカーのホームページを覗いてみると本当のこだわりが伝わってきます。プラセンタの効果は素晴らしい者がありますので、自分の求めるプラセンタエキスを本気で探してみてはいかがでしょうか。
山川雅之
最新記事 by 山川雅之 (すべて見る)
- プラセンタはドリンク剤、カプセル剤どっちがいい? - 2019年6月14日
- プラセンタ原液を追求! 医薬部外品原料のプラセンタって何? - 2019年5月17日
- 凍結融解?酵素分解?高圧抽出?全てのプラセンタを解説! - 2019年4月13日
最新記事
中島ゆき
2019/09/30日焼けあとの肌にも 混ぜるだけ手作りアロマジェル
おはようございます!キラナ美活サポーターの中島ゆきです。 最近はジェル…
黒田 リコ
2019/09/23出産経験者の2人に1人は下肢静脈瘤を発症している?予
ふと自分の足を見たときに「あれ?血管が赤黒くなってない?」「もしかして…
松尾功子
2019/09/02今からでも間に合う!「秋の老け顔対策」ケア3選
キラナライフの松尾です。今日も、コスメコンシェルジュ、エステティシャン…
matsuki_takahiro
2019/08/10永遠のテーマ「アンチエイジング」研究の最新トピックス
おはようございます。佳秀ヘルスケア研究開発の松木です。 前回に引き続き…