話題のマグネシウムオイルを調査!頭皮や肌に有効なの?
今回は栄養素の中でもちょっぴりマイナーな存在・マグネシウムに注目し、マグネシウムオイルの効果について、実際に使ってみて調査します。
目次
- ミネラルの大切な役割
- マグネシウムを食品から摂取するには
- マグネシウムを皮膚から吸収させるのは有効なの?
- マグネシウムオイルとは?効果的な使い方
- マグネシウムって髪や頭皮に良いの?
- まとめ
ミネラルの大切な役割
マグネシウムはミネラルの一種です。5大栄養素のひとつ・ミネラルは、和訳すると「鉱物」。無機塩類の総称で、カルシウム・ナトリウム・カリウム・マグネシウム・燐(りん)・硫黄・鉄などがあります。ごく少量でも人体の生理機能に大きく作用し、具体的には骨や歯を形成したり、神経の伝達に関わったり、細胞の働きをスムーズにするなど、臓器や各組織をスムーズに働かせるために必要不可欠な成分です。
ミネラルの種類
カラダに必要なミネラルは16種類とされていて、必須ミネラルと呼びます。カラダに含まれる量によって、主要ミネラル7種類、微量ミネラル9種類に分けられています。
【主要ミネラル】(7種類)
カルシウム・リン・カリウム・硫黄・塩素・ナトリウム・マグネシウム
【微量ミネラル】(9種類)
鉄・亜鉛・銅・マンガン・クロム・ヨウ素・セレン・モリブデン・コバルト
マグネシウム
マグネシウムは体内で300種類以上の酵素を活性化し、生命維持に必要なあらゆる代謝に関与しています。そのはたらきは多岐にわたっていますが、細胞内外のミネラルバランスを調整する機能はとくに大切です。エネルギーの産生、筋肉の収縮や神経情報の伝達、体温・血圧の調整にも使われています。
また、マグネシウムとカルシウムはブラザーイオンといわれるほど相関関係が深く、お互いに影響し合いながら骨を強くしたり健康な状態を保ったりしています。そんなわたしたちのカラダに不可欠なマグネシウムですが、カルシウムや鉄分に比べるとややマイナーな存在で、欧米でもカルシウムの影に隠れた忘れられたミネラル《forgottenミネラル》と呼ばれています。
マグネシウムが関わるはたらき
●タンパク質の合成
●神経伝達の制御
●心と感情のバランス調整
●神経パルスの伝達
●筋収縮
●血圧調節 など
マグネシウム欠乏症
マグネシウムが不足すると骨の形成に影響が出るほか、不整脈や虚血性心疾患、高血圧、筋肉のけいれんなどを引き起こすこともあります。
●低カルシウム血症
●骨粗しょう症
●心疾患
●筋肉の痙攣(けいれん)
●冠動脈のれん縮
●神経・精神疾患
●不整脈
●食欲不振
●下痢、便秘 など
マグネシウムを食品からの摂取するには
そんなマグネシウムですが、カルシウムや鉄と同様、現代の日本人には不足気味であるといわれています。マグネシウムを多く含む食べものは、海藻・種子やナッツ類・大豆製品・緑黄色野菜など。とくにおすすめの食材はあおさ、ゴマ、木綿豆腐です。また、マグネシウムは穀物のヌカの部分や胚芽に含まれているため、精製されたお米や小麦粉からは摂ることができません。
また、天然塩にはマグネシウムやカリウムなどのミネラルが多く含まれていますが、精製されてしまうと塩化ナトリウムの割合が99%以上になります。
日本人の食事摂取基準(2015年版)では、1日のマグネシウムの推奨摂取量は男性では320mg~370mg、女性では270mg~290mgと設定されています。食事で過剰に摂取しても排出されるため、健康上のリスクはないとされています。ただしサプリメントなどの通常の食品以外からの摂取量は、成人で1日に350mg(小児の場合は体重1kgあたり5mg)と制限されています。
マグネシウムを皮膚から吸収させるのは有効なの?
皮膚から吸収することを経皮吸収といいますが、ミネラルを吸収する例といえば温泉が思い浮かびます。温泉の効能として、炭酸ガスが皮膚から吸収されると、血管が拡張し血流が良くなるということは広く知られています。
一方、ミネラルのイオン成分も温度・時間・pH・濃度・そのほかの成分・皮膚の状態などの条件の影響を受けながら、皮膚を通って体内に吸収されることがわかっています。この場合、45℃の10分浴と37℃の30分浴を比較すると、後者の微温長時間浴(37℃の30分浴)の方が温泉成分の体内進入に有利であるとされています。
ほかにも、皮膚からミネラルを取り込む美容法としてクレイ(粘土=鉱物)テラピーやタラソ(海)テラピーなどもあります。
マグネシウムオイルとは?効果的な使い方
マグネシウムオイルとは、塩化マグネシウムを水に溶かしたものです。手触りがオイルに似ているため“オイル”と呼ばれていますが、油脂は含まれていません。塩化マグネシウム水溶液は、身近なものでいうと豆腐を作る時に使われる“にがり”です。マグネシウムオイルは、わかりやすくいうと“にがりの濃度を高くしたもの”になります。
にがりは、海水から食塩(結晶化した塩化ナトリウム)を取り除いたもので、主な成分は塩化マグネシウムです。ほかにナトリウム、カリウムを含んでいます。
スプレーして肌に塗布して使う
エッセンシャルオイルが含まれているものや含まれていないもの、高濃度や低濃度、スポーツ用、入眠用など、さまざまなタイプのスプレーがあります。スポーツ中継などを注意深く観ていると、海外の選手が疲労した足にマグネシウムオイルをスプレーしている姿を見かけます。また、お風呂上りには乾燥防止のために塗布することもあるそうです。
スプレータイプの容器に入っていますので、脚や腕にシュッと吹きかけ肌に擦り込んでみると、さらりとのびがよくオイルのようなベタつきがあります。匂いはありません。なじませていくとベタつきは気にならなくなり、お肌にはしっとり感が残ります。
高濃度のマグネシウムを皮膚に塗布した時、マグネシウムが欠乏していると、少しピリピリするといわれています。少量から試してみて、もし刺激を感じたら精製水を混ぜて濃度を薄めて使ってみましょう。マグネシウムには筋肉を緩める作用が期待されるので、こむら返りに悩まされている人は脚やふくらはぎに塗ってみるのも良いかもしれません。
入浴剤として使う“エプソムソルト”
最近、ハリウッドセレブ御用達と話題になり、日本でも人気が高まっている“エプソムソルト”(硫酸マグネシウム)。発汗作用と代謝効果が高く、日本でも大手メーカーの入浴剤などに配合されています。エプソムソルトを含む入浴剤を使ったお風呂に入ると、皮膚に形成される膜の作用で放熱が抑制され、カラダが芯から温まるとされています。硫酸マグネシウムを含む炭酸ガス入浴剤を用いて全身浴を行うと、むくみの軽減に効果があるという*実験結果も出ているようです。さらに、マッサージ、ストレッチもあわせて行うと、より効果的であると考えられています。
(*ツムラ ライフサイエンス株式会社「足のむくみに対する硫酸マグネシウム含有炭酸ガス入浴の有効性を客観的に実証」 https://www.bathclin.co.jp/news/2008/0411_788/)
エプソムソルトを購入してみると、透明の袋にサラサラした白い粉(結晶)がたっぷりと入っていて、計量スプーンも入っています。量は、お湯150L(一般的な浴槽)に対してエプソムソルトを150g~300gほどを入れるのが目安です。最初からたくさん入れるのは少し不安だったので、少なめに入れてみたのですが、お湯に浸かるとややピリピリとした刺激があります。もし、カラダに傷などがあると沁みると思いますので控えた方が良いと思います。
エプソムソルトはマッサージソルト(スクラブ)として使うこともできます。黒ずみや角質の気になる部分を、なでるようにやさしくマッサージしましょう。ヒリヒリするということもなく、マッサージソルトのような肌ざわりです♫
しばらく浸かると、カラダがぽかぽかと温まり、お風呂上がりもその温かさが継続し、お肌もしっとり感に包まれます。冬には足や腕の部分浴をするのもおすすめです。洗面器などにお湯をはって、エプソムソルト+アロマオイルを入れるとリラックス効果もあり、疲れやストレスの緩和に最適です。
入浴後はしっかりと水分補給を行いましょう!
マグネシウムって髪や頭皮に良いの?
昔から海藻が髪に良いという話は有名ですが、髪にとってミネラルは重要な栄養素です。ミネラルの中でも、特にカルシウムとマグネシウムをバランスよく摂取することが大切だといわれています。
ミネラルは毛根の細胞の正常な生育に大きく関与していると考えられます。毛髪は体内の金属イオン(ミネラル)を体外へ排出する役割も担っています。これは摂りすぎたミネラルを体外に排出し、必要な分だけ残すという調節を行っていることを意味します。そして、摂取したミネラルは最終的に毛髪に届けられていることも意味します。
山川 雅之:●公益社団法人 日本毛髪科学協会 毛髪診断士 ●公益社団法人 日本毛髪科学協会認定講師
食べものから栄養として摂取したり、皮膚から吸収したりすることで、どのように細胞へ届けられるのかという体内のメカニズムについてはまだまだわかっていないことも多いのですが、髪にとって大切な栄養素であるということは間違いないようです。
コンディショナーに“エプソムソルト”をプラス
「コンディショナーに大さじ1ほどのエプソムソルトを混ぜると良い」との情報がありましたので、混ぜてみると少しざらっとしたテクスチャーになります。なじむか不安になりましたが、いつもと変わらず使うことができました。
また、髪がベタつきがちな人は毛髪や頭皮の皮脂汚れを落とすために、エプソムソルトを溶かしたお湯で洗ってみるのも良いそうです。洗い上がりは全体的にすっきりとした感じに仕上がって、サラサラ感もあります。ただし、いずれの場合もミネラル分が髪に残らないよう、すすぎをしっかり丁寧に行うことが大切です!
まとめ
いかがでしたか?
これまで、あまりマグネシウムの存在を意識したことがありませんでしたが、わたしたちのカラダにとって、とても大切な栄養素なのだなと感じます。
シャンプーやヘアマッサージについて考えた時にも感じましたが、しっかり自分のお肌や髪の健康のために手を掛ける時間をとってあげて、マッサージなども取り入れ“手当て”してあげることで血流が良くなり、美や健康に効果のある習慣づくりにつながっていくことも多いと思うのです。
栄養面では海藻やナッツ、木綿豆腐を積極的に食べたり、またエプソムソルトを入浴剤として使ったり、成分に着目して入浴剤を選んでみたり、これまでよりも少しだけミネラルやマグネシウムを意識した生活を心がけてみてはいかがでしょうか♪
Kiranah Life(キラナライフ)編集部
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