更年期症状や肌荒れを改善する?大豆イソフラボンの効果を調査!

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おはようございます。管理栄養士の力武ひかりです。今回は大豆イソフラボンの効果について調査してきました。ホルモンバランスを保つために大切と言われたり、大豆イソフラボン含有の化粧水も話題になっています。実際にどのような効果が期待できるのでしょうか。

大豆イソフラボンとは

大豆イソフラボンは大豆の胚芽部分に多く含まれています。
構造はポリフェノールのフラボノイド系であり、ゲニステイン・ダイゼイン・グリシテインの3種類があります。この中でダイゼイン(大豆イソフラボンの40%)は腸内細菌によりエストロゲン様作用・抗酸化作用のより強いエクオールに変換されます。

大豆イソフラボンの効果

更年期症状・月経前症候群(PMS)の緩和

大豆イソフラボンはエストロゲンと構造が似ているため、体内のエストロゲン受容体と結合してホルモンバランスを整え、更年期症状を改善したり、月経前症候群(PMS)を緩和すると言われています。
エストロゲンは女性の体の機能と健康に大きく関わり、重要な働きをしているホルモンです。このためエストロゲンの分泌量が急激に減少する更年期や必要量が増加する月経期は、不足による様々な症状が現れます。

エストロゲンと大豆イソフラボンの効力の比較
どれほどの効力があるのかを数値化するために、大豆イソフラボンとエストロゲン受容体との結合活性を調べた研究があります。

ダイゼインは、エストラジオール17β(エストロゲンの数値)と比較すると数千分の1以下の活性ということになります。ですから、実はエストロゲンと同じような効力を持っているとは言えません。

肌荒れの改善

肌荒れの改善は、大豆イソフラボンの抗酸化作用の働きによるものです。大豆イソフラボンの抗酸化作用はビタミンCとEと同程度だと言われてます。紫外線で発生した活性酸素を大豆イソフラボン等の抗酸化作用のある物質が除去します。大豆イソフラボンはフラボノイド系に分類され、これらは抗酸化作用を持っていることが分かっています。
他にも仕組みはまだ解明されていませんが、大豆イソフラボンを摂ることでシミやしわが少なくなったという報告もあります。肌荒れに対しての有効性が、今後明らかになっていくと良いですね。

効率よく大豆イソフラボンを摂るために

大豆イソフラボンは、糖とイソフラボンが結合した配糖体型イソフラボンとして食品中に多く存在しています。この形では体内での吸収やエストロゲン受容体との結合がされにくい状態です。糖の外れたアグリコン型イソフラボンは、体内での吸収やエストロゲン受容体との結合がされやすい状態になります。

配糖体型イソフラボンは、腸内細菌の働きにより糖が外れ、アグリコン型イソフラボンへと変換・吸収されます。効率よく大豆イソフラボンを摂るためにはアグリコン型イソフラボンを多く含む食品として、発酵食品である味噌や醤油といった調味料も料理に活用してみてください。

食品に含まれる大豆イソフラボン量・平均摂取量・一日の摂取上限量

食品に含まれる大豆イソフラボン量
大豆加工食品のイソフラボンをすべてアグリコン型イソフラボンに換算した量です。
(食品安全委員会による調べより)
大豆(100g):140mg
納豆(1パック):37mg
豆腐(1丁):61mg
豆乳(120ml):31mg
味噌(10g):7.4mg

平均摂取量
一日に摂取している日本人のアグリコン摂取量は平均で25mgと推定されています。

一日の摂取上限量
一日の摂取上限量は70~75mgと設定されているため、これらを考慮して続けやすい食品選びをしてみてくださいね。

さいごに

いかがでしょうか?日常摂っている大豆イソフラボンの効果・効力について理解を深めて頂けたでしょうか。
大豆イソフラボンはエストロゲン様作用を持っていますが、効力としては非常に弱いものです。ただポリフェノールの一種であるため、抗酸化作用を持ち紫外線で受けたダメージを除去してくれます。
1つの成分でも、ホルモンバランスを整えたり、肌荒れ改善の効果があったり、体にさまざまな作用を及ぼしますね。今後も体にとって良い効果が解明されていくことを期待します。
最後まで読んで頂きありがとうございます。

参考文献
食物と健康の科学シリーズ 大豆の機能と科学/小野 伴忠・村本 光二・下山田 真 編/朝倉書店

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力武 ひかり

GENPRESS(ジェンプレス)管理栄養士
明るい笑顔がチャームポイントの管理栄養士力武ひかりです! 自身の料理経験や知識を生かし、旬菜レシピや栄養について詳しくみなさんにお届けしていきます!管理栄養士として考案したレシピを皆さんに「試してみよう♪」と普段の生活の中で使っていただければ、幸いです。趣味:料理(和食がお気に入り!)・登山・ドライブ

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