風邪予防や抗炎症に有効な茶カテキンの効果的な摂り方
前回に引き続きカテキンのお話です。お茶の主成分であるカテキンには強力な抗酸化作用があり、がんや生活習慣病の予防に有効です。また、その他お茶に含まれる成分であるビタミンCやビタミンEなどの作用と相まって肌改善効果も期待ができます。美肌を手に入れたい方におすすめです。
そんなカテキンですが、もう一つの特徴として寒くなったこの時期に気になる風邪やインフルエンザなどの感染症や、アレルギーなどの炎症作用にも効果があることが分かっています。
今回は、カテキンの健康効果に着目してお話します。
カテキンの肌改善効果についてはこちら⇒肌改善に効果あり!栄養の宝庫お茶の主成分カテキン
カテキンが持つ健康効果
カテキンはポリフェノールの一種で、お茶に含まれるカテキンはエピカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレートの4種類があります。
カテキンによる健康効果は多くの研究報告があり、抗がん作用や血糖値の低下作用、虫歯予防や口臭効果などが報告されています。
さらに、ウイルスや菌などによる感染症が拡大するこの時期に効果を発揮します。
特に、インフルエンザウイルスの除去には高い効果を発揮することが分かっています。
インフルエンザウイルスなどのウイルスは、喉や鼻などの粘膜に付着し細胞内に侵入することで増殖を繰返します。細胞内に侵入する際にウイルスはまず細胞表面から出ている手に結びつきます。
カテキンはこの細胞表面から出ている手に覆いかぶさることで、ウイルスが細胞と結びつくのを防ぐのです。
細胞内に侵入できないウイルスは増殖することができなくなり、死滅していきます。
菌に対してもカテキンが菌の膜に結び付き作用することで抗菌作用を示すということです。
また、カテキンには花粉などによるアレルギー反応を引き起こすヒスタミンの分泌を抑える効果もあります。抗炎症効果もあるので、アレルギー反応が出た後でも効果が期待できます。
カテキンの効果的な摂り方
お茶を飲むことによって得られるカテキンは小腸で吸収されますが、その量はごくわずかであることが分かっています。
またカテキンは私たちの身体にはもともと含まれない成分ですので異物と認識されてしまいます。
そのためカテキンを吸収しても割と早めに代謝されます。その時間は摂取後3~4時間といわれています。
カテキンの効果を持続させるためにはこまめにお茶を飲むことが大切です。
加えて、カテキンを効果的に摂るには熱いお茶をおすすめします。
お茶にはカテキンをはじめアミノ酸やカフェインなど色んな成分が入っています。
アミノ酸は低温でも溶け出すため、旨味を楽しむお茶は50℃程度の低温でじっくりといれるのがいいですが、カテキンは溶け出しにくい成分ですので、90℃以上の熱い温度で入れた方が量が増えます。
さいごに
これまで2週にわたってお茶の主成分カテキンの美容効果、健康効果についてお話してきました。抗酸化効果や抗ウイルス・抗菌効果、抗炎症効果といったカテキンパワーはお茶をたしなむ日本人の生活を日々サポートしてきたことでしょう。
とはいえ、飲みすぎてカテキンを過剰に摂取するとどんな問題があるのかも気になるところでしょう。
次回はカテキンの過剰摂取による副作用などに着目してお話します。
参考文献
手塚雅勝, et al. 茶葉カテキン類のインフルエンザウイルスに対する不活化作用. 衛生化学, 1997, 43.5: 311-315.
山本(前田)万里. 茶葉中メチル化カテキンの抗アレルギー作用. 生物物理化学, 2009, 53.2: 37-40.
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