アミノ酸の働きと機能について(アラニン、グリシン編)

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おはようございます。佳秀ヘルスケア品質管理担当の川﨑です。今回から数回に分けて、”アミノ酸”について数種類を取りあげ、人の生体内での働きや機能性を中心にお話したいと思います。(上の写真は試薬用の L-アラニン、グリシン(純度99.0%以上))

アミノ酸とは?

水素(H)、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)と硫黄(S)の5種類の元素から成り、アミノ基(NH₂‐)とカルボキシル基(COOH-)の両方の官能基を持つ有機化合物の総称です。天然には500種類ほど見つかっていて、2個~数10個結合したものを”ペプチド”、それ以上結合したものを”タンパク質”と呼びます。人の場合、タンパク質を構成するアミノ酸は、20種類で、内9種類は体内で合成できないため、”必須アミノ酸”と呼ばれ食物から摂取する必要があります。対してその他の11種類は、体内で合成できるため”非必須アミノ酸”と呼ばれますが、体内での働き、機能性いずれの面においても20種類すべて重要な役割を担っています。食物として体内に摂取された”タンパク質”は、ペプシン(胃)、トリプシン(十二指腸)、ペプチダーゼ(小腸)の3段階の消化酵素により、徐々に分解され”アミノ酸”となり毛細血管内に吸収され全身へ運ばれます。

アラニン(Ala)

非必須アミノ酸で、甘味を有するため食品添加物として利用されます。人の生体内での働きで解っているもので、2点を紹介します。
1)エネルギーは通常、”グルコース”と呼ばれる糖を利用しますが、不足してくると筋肉のタンパク質を分解し、アミノ酸として血液中に移行し、肝臓に運ばれ糖に変換しエネルギーとして利用されます。この時のアミノ酸が”アラニン”です。
2)アルコール摂取時に”α-アラニン”はアルコール分解を促進することが解っています。
※α-アラニン 構造上の違いで3種類(α、β、γ)ありますが、タンパク質を構成するアミノ酸は 、α-アミノ酸だけです。
以上の働きから、運動時の持続性や肝機能補助、二日酔いの予防や改善が期待されています。
多く含まれる食材・・・貝類(しじみ、はまぐり、あさり)、豚肉・鶏肉、海苔、かつおぶし、鶏卵など

グリシン(Gly)

非必須アミノ酸で、甘味を有するため食品添加物として利用されます。人の生体内での働きは、筋肉中のタンパク質として存在し、アラニン同様にエネルギーとして利用されます。その他の働き(機能)を2点紹介します。
1)人の生体のコラーゲンタンパク質(毛髪、爪、骨、皮膚などの主要タンパク質)の主要構成成分(1/3)です。
2)経口摂取による睡眠時、生体内の深部体温(直腸内温度)を下げ、末梢血流を増加させる(手、足の温度を上げる)ことが解っています。    (味の素社研究)
以上の働き(機能)から肌、毛髪のターンオーバーの促進や、睡眠の質の向上が期待されています。
多く含まれる食材・・・豚肉・鶏肉(含む骨、軟骨)、海苔、イカ、タコ、えび、タラ、大豆、落花生、豆腐など(食品成分データベース:文科省)

まとめ

最初のアミノ酸が発見されて200年以上が経ち、多くのことが解ってきました。人の体は15~20%がタンパク質で成り、その構成単位のアミノ酸は重要な働きや機能が多数存在します。それぞれのアミノ酸の働きや機能を理解し、食事を通してみなさんの健康、美容に役立てていただければ幸です。
上の写真は私の左手親指の爪の上に“ニンヒドリン試薬”を付けたものです。(アミノ酸の呈色反応で紫色に染まります。)次回はアミノ酸の分析をまじえて紹介したいと思います。

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川﨑孝治

佳秀ヘルスケア品質管理所属の川﨑です。 専門は細菌(バクテリア)です。 趣味は釣り、ゴルフ、野球(観る、する)など、広く浅くしていましたが 今はもっぱらおいしい肴を食べながら、その年の出来のよい日本酒を探して1合ぐらい飲むのが日々の楽しみです。 できる限り、実体験をもとに「美と健康のお役立ち情報」をキラナライフ を通じて発信していきたいと思います。

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