出産後の抜け毛・薄毛が治らないとお悩みのあなたへ|原因と対策をご紹介します
先日、3ヵ月ほど前に出産して「幸せいっぱい」なはずの友人から「涙声」で電話がありました。
「最近抜け毛がひどくて、私…ハゲるのかな?」というのです。
出産後、多くの方が経験する抜け毛。中には「ごっそり毛が抜ける」という不安な思いのかたもいらっしゃいますよね。
実は、これにはちゃんとした理由があるのですが、初めての出産だと身体の中で何が起こっているのか不安になりますよね。
出産後1年半以上経っても抜け毛・薄毛が改善されない場合は更に不安が増すと思います。
そこで、そんな不安を抱えた「ママ一年生」へ、エステティシャン、コスメコンシェルジュの立場から「出産後の抜け毛・薄毛」についてご紹介します!
まずは基礎知識として、「妊娠・出産」とホルモンバランスの関係についてからです。
「妊娠・出産」とホルモンバランスの関係
女性ホルモンには「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2種類があり、エストロゲンが髪やお肌の調子に大きく影響しているということは以前「ダイエットと薄毛の意外な関係」でご紹介しましたね。
ここでは、この2つのホルモンについてもう少し詳しくご紹介して、「妊娠・出産」にどのように関係しているのかみていきましょう。
2つの女性ホルモン基礎知識
あなたは基礎体温を付けたことがありますか?
「低温期」と「高温期」のある体温グラフ・・・、学生の頃に保健の時間で勉強しましたね。
そうそう、「オギノ式」のあのグラフです。
この低温期と高温期が2つのホルモンに関係しています。
ここでもう一度おさらいしておきましょう。
●低温期:エストロゲン(卵胞ホルモン)
女性らしさ、美しさをつくるホルモン
生理が始まると体温が下がり、排卵を迎えるまで低温期が続きます。この時期に分泌されるのが「美ホルモン」のエストロゲンです。生理の終わりごろから排卵にかけて分泌量がおおくなり、お肌、髪、身体など、「なんかいい感じ」と感じる時期です。女性らしい身体をつくり、子宮内膜を厚くするなど妊娠に備えるための準備をしています。
●高温期:プロゲステロン(黄体ホルモン)
妊娠を助けるホルモン
排卵後から次の生理にかけて体温が上がり、高温期が続きます。この時期に分泌されるのがプロゲステロンです。症状は人それぞれですが、吹き出物がでたり、イライラしたり、精神的にも不安定な時期。PMS(月経前症候群)と呼ばれ、腹痛や、頭痛など症状が重いかたにはつらい期間です。
この時期は「受精卵が子宮内膜に着床しやすい状態」、つまり妊娠しやすいように整えています。高温期が16日以上続くと、妊娠している可能性が高くなります。しかし、妊娠しなかった場合は、排卵の約2週間後に分泌が低下。子宮内膜がはがれて月経が起こります。
通常はこの二つのホルモンが生理のサイクルに合わせ、一定の周期で分泌量をかえながら身体のバランスを保っています。そして、このバランスがくずれる事でおこるのが、月経不順をはじめ、不妊、更年期障害等の症状なのです。
では、次の章では妊娠するとどう変化するのかみていきましょう。
妊娠後の変化
妊娠すると、エストロゲン、プロゲステロン、どちらのホルモンも分泌量がいつもより増加します。その為、ヘアサイクルにおける髪の成長期が長くなり、一時的に抜け毛が減少します。妊娠中に「毛深くなった」という話も聞きますが、これはエストロゲンの量が増えたからです。髪などの成長を促す働きがあるため、一時的に毛深くなるという方もいらっしゃいます。
また、2つのホルモンがメラニンを刺激するため、一時的にシミができやすかったり、皮膚が黒ずんだりしやすくなります。肌トラブルをおこしやすくなったりすることもありますが、これらは一時的なものなので、あまり深刻に考えないようにしましょう。ただし、油断は禁物ですよ。次の章では、出産後の変化についてみていきましょう。
出産後の変化。抜け毛は元に戻るの?
妊娠中、分泌量が増加していた2つのホルモンですが、出産すると急激に減少しはじめます。これは正常なバランスを取り戻そうとする働きなのですが、通常よりもホルモンの分泌量が少なくなることもあり、体調不良をおこしやすくなります。
女性ホルモンが正常に戻る事で、ヘアサイクルも元に戻ります。その為、妊娠中に成長期を保っていた毛髪が一気に抜けます。つまり、これが「髪がごっそり抜けてしまう」という現象なのです。出産後3ヵ月~半年がピークを言われ、個人差はあるものの1年~1年半ほどで元に戻ります。出産後の抜け毛は一時的なものなので、あまり深刻に考えないようにしましょう。ただし、抜け毛が一向に治まらない場合があります。次の章ではどんな事が原因なのか?予防と対策をみていきましょう。
出産後の抜け毛・戻らない理由と対策
抜け毛がいっこうに治まらない理由として考えられる事がいくつかあります。
①出産後のストレス
初めての出産ともなると、慣れない子育てに翻弄されます。どうしたらいいのかもわからず不安になったり、生活リズムもくずれ睡眠不足になったりすることも・・・。しかも、そんな時に髪がごっそり抜けたりするとショックですよね。自律神経が乱れると、抜け毛の大きな原因となります。
対策としては、まず一人で悩まない事。ご主人に相談するのもいいでしょう。ですが、ご主人だってパパ一年生。意外と先輩ママに相談する方が早く解決するかもしれませんよ。ストレスをうまく発散させて、できる限り睡眠もとりましょう。
②無理なダイエット
以前「ダイエットと薄毛の意外な関係」でもご紹介しましたね。
出産後、何とか早く元に戻すために無理なダイエットをすると、抜け毛を増やす結果になりかねません。確かに、産後半年が勝負とも言われますが、計画的に行いましょう。
対策としては、運動です。といっても、赤ちゃんをつれてジョギングというわけにはいきませんよね。ですから、家でできる筋トレや、ながら美容がおすすめ。また、出産後は骨盤が開いているので、骨盤をしっかりサポートする事も有効です。いつまでもゆったりした服でいると身体もゆったりになるので、気も引き締めましょう。
③高齢出産高齢出産の場合には、少しケアが必要かもしれません。
年齢と共にだんだんとホルモンの減少が始まります。その為、発毛の力が落ちている可能性があります。
対策としては、頭皮ケアをしたり、日頃の食生活を見直してみましょう。イソフラボンはエストロゲンと似た作用があるといわれ、ホルモンバランスを整えるといわれています。ザクロや、豆腐、納豆などイソフラボンの多い食品を摂取してみるのも効果的です。また、髪の主成分でもあるタンパク質、血行促進するビタミンE、髪の新陳代謝を促すビタミンB群なども髪の健康には欠かせない栄養素です。
ホルモンバランスを整える食事
健康・美容の観点からもいえることですが、30代も後半に入ったらなるべく油ものや甘いものの摂りすぎは控えて肥満を防ぎましょう。更年期の予防、または症状を軽くするために、30代から食事を気にしてホルモンバランスを整える食事を実践していく方が効果的です。
ホルモンバランスを整える食品としてもっとも有名なものは大豆です。大豆イソフラボンは植物性エストロゲンとも呼ばれ、エストロゲンの受容体と反応し、女性の美しさや若々しさを手助けしてくれると考えられています。ほかにも、ビタミンE(ナッツ類や煎茶)、自律神経のバランスを整えるビタミンB1(豚肉やレバー)を積極的に摂取するようにしましょう。
アロマでリラックス効果を高めて症状を緩和
ヨーロッパでは古くからアロマテラピーに着目し、植物から抽出したエッセンシャルオイルを病気の治療に使ってきました。さまざまな効能をもつアロマ成分が、嗅覚を通して直接脳の視床下部に届き、自律神経やホルモンバランスの乱れを整える手助けをしてくれます。とくにおすすめなのは、鎮静・鎮痛効果がある万能薬・ラベンダー、女性ホルモンのエストロゲンを刺激しホルモンバランスを整えるイランイラン、神経バランスを整えて心の浮き沈みを穏やかにしてくれるゼラニウムの3つです。
イライラ予防と鎮静にハーブティー
更年期の症状に効くハーブとして有名なのは“セージ”です。セージには汗のかき方を正常にする働き、ほてった体を鎮静する作用もあります。スッキリとした清涼感とわずかな苦味が特徴です。
ブレンドにはラベンダーやルイボス、ジャーマンカモミールなどがおすすめです!
●セージの効能・効果: 抗菌、抗ウイルス、防腐、収れん、制汗、内分泌調整
●ラベンダーの効能・効果:鎮静、鎮痙、抗菌、殺菌、防腐、抗炎症、抗うつ、鎮痛
●ルイボスの効能・効果: 発汗、利尿、収れん、抗菌、抗炎症、止血、ホルモン様
●カモミールの効能・効果:鎮静、抗炎症、抗痙攣、発汗、消化促進、抗菌、殺菌、利尿、嘔吐予防
髪の毛が抜ける主な原因は、頭皮の血流不足とホルモンバランスの乱れです。女性ホルモンのエストロゲンには毛髪を育てる働きがあるので、ホルモンバランスが崩れるとヘアサイクルにも影響します。ヘアサイクルが乱れると、髪の成長期が短くなったり休止期が長くなって抜けやすくなったりして、薄毛や抜け毛につながってしまうのです。
頭皮マッサージやブラッシング習慣も抜け毛予防に効果的
ホルモンバランスを整えるためには、これまでお話ししてきたように食事のバランスを整えること、リラックスを意識してストレスフリーの時間を取ることが大切です。これに加えて、髪の血流を促進する頭皮マッサージやブラッシングの習慣を取り入れることで、ヘアサイクルの改善につながります。
ヘアケア
①髪をきちんと乾かす!ドライヤーの熱を大いに利用!
②過剰な洗髪は毛髪にも頭皮にもダメージ!
③ゴシゴシNG!
④トリートメントもすすぎはしっかりと!
⑤脱・手櫛!ブラッシングの効果をあなどるべからず!
⑥カラーリング、パーマの頻度はできるだけ抑える!
まとめ
いかがでしたか?
●出産後1年半経っても抜け毛・薄毛が改善されない場合は、無理なダイエットが原因!ながら美容で計画的にダイエット!骨盤サポートも忘れるべからず。
●高齢出産の方は、出来れば頭皮ケアをはじめましょう。
食生活も見直し、イソフラボンなどのホルモンバランスを整える食品や、髪の主成分でもあるタンパク質、血行促進するビタミンE、髪の新陳代謝を促すビタミンB群などを摂取するように心がけましょう。
●出産後の抜け毛は、基本的にはあまり心配する事はありません。クヨクヨ悩む方がかえって逆効果です。慣れない子育ては、一人で悩んだりせずに相談しましょう!先輩ママに聞くのが一番!
頑張れ~ママ1年生!!応援していますs(⋈◍>◡<◍)。✧♡
Kiranah Life(キラナライフ)編集部
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