良く噛むこと。たった10日間で無理なく4kg痩せました。
子供の頃なら親に「よく噛んで食べなさい!」なんて言われたものですが、大人になった今では自分でよほど意識をしなければ、中々よく噛むこともないかもしれません。
ところが、この「噛む」ということ、これは大変 健康と関わりが深いことが分かってきました。今日は私の体験を踏まえた「噛む」ことについてのお話です。
目次
- 良く噛むことで発見する「おいしさ」
- 10日で4㎏減! 簡単ダイエット
- フレッチャーの「噛む健康法」
- さいごに
良く噛むことで発見する「おいしさ」
今、私は出来るだけ良く噛んで食事をしています。
口に入れた食べ物がぐちゃぐちゃ、ドロドロになって、いつの間にか食道に飲み込まれてしまう位に、良く噛みます。私が食べるのは、夕食は玄米菜食で、玄米を炊いたご飯と野菜類が殆どです。玄米は時間をかけて炊くので固いという事はありません。この玄米、よく噛んで食べると美味しいのです。噛めば噛むほど甘くなってきます。ほのかな甘みで、いくら食べても飽きない美味しさです。ずっと噛み続けていると、やがて胚芽の所だけになってしまいます。その胚芽を楽しみながらじっくりと噛み続けていると、胚芽に含まれているミネラル分やファイトケミカル類が染み出してきて、独特のコクのあるうま味に変わっていきます。ああ、良いものを食べているなぁと感動さえ覚えてきます。
次におかずですが、おかずも一口で丁度良い位の量を口に入れしっかりと噛みます。おかずは味付けしている事が多いので、最初は調味料の味がします。みりんの甘さだったり、醤油のコクだったり、味噌の味だったりするのですが、段々とその食材の持つ独特の味がしてきます。大体何種類か混ざっているので、その食材の組み合わせにより、毎日新しい感動を覚えます。美味しいなー、有難いなーと思ってゆっくり食べていると、沢山は食べられません。満腹中枢がもう十分だよと教えてくれますから、沢山食べている訳ではなくても満足感があります。食べる量は少ないのに満足感があるという事のメリットは凄い事だと思います。
10日で4㎏減! 簡単ダイエット
最近少し肥えてきだしたので、これはいけない、しっかり噛んでやろうと思って始めたのですが、10日くらいで何と体重が4kgも減りました。たかが4kg瘦せただけですが、多くの人がその4kgのためにどれ程の手間暇やお金をかけていることか。4kg痩せる為に皆さんは相当の我慢をしているのです。それが、しっかり噛んで食べるだけで、たった10日間で4kg痩せたのです。しかも費用はタダです。空腹を我慢する事はないのです。じわっと体調が良くなり、気力も充実してきます。食費も少なくてすみます。
数年前までは体重が74kgくらいあり、体調不良で、いつもいつも風邪をひいていました。こんな事ではいけないと、船瀬俊介さんの「やってみました!1日1食」や「3日食べなきゃ7割治る!」などを読んで1日2食にし、1日断食なども何度もして、60kg位の体重になっていました。その頃は体調がすこぶる良かったのです。もうこれ位で体重も落ち着くだろうとスーツなどもその体形で作ったのです。ところが、仕事柄、外食が多く、段々と美食に傾いてきて、肥えてきだしたのです。体重も64kgにまで戻り、スーツのズボンも3センチ位伸ばさないときつくなってきました。それに加えて、また風邪を引いたり、時々は下痢をしたりするようになったのです。体調が悪くなれば、すぐに断食と洗腸を行いそれなりに回復するのですが、「何やってんだ」と自分でも反省し、何はともあれ良く噛もうと、毎日しっかり噛んで食べています。お陰様で10日程度で体重も好調時の60kgに戻り、体調はすこぶる好調です。良く眠れますし、夢見が良く、寝起きも快適です。
フレッチャーの「噛む健康法」
「噛むといえばフレッチャー」というくらい有名な人がいます。ホーレス・フレッチャーという、今からおよそ100年位前に活躍した人です。
時計の商いをして財を築いたアメリカ人です。40歳の時に171㎝で100kgの体重となり、気分は憂鬱、風邪はひきやすいし、胃も悪ければ心臓も苦しいといった状況になりました。死ぬかもしれないと思って保険会社に行ったら、保険に入る事も断られてしまいました。健康診断を受けたら色々な所が相当悪く、大変な事になっていたのです。それまでの彼は富豪だったので5人もの料理人を雇い、世界中から食材を取り寄せ美食ざんまいの日々でした。
そんな事があって自分の間違った生活態度を反省した彼は、この事態を大きな試練と捉え、事業から手を引き、病気治しのため当時アメリカより医療技術の進んでいた英国に行って名医を探し治療して貰いました。胃や心臓の方はそれなりに良くはなってきたのですが、体重が中々減りません。栄養学の先生からもダイエット法などを学び、色々やってみたのですが、今一つなのです。英国からヨーロッパ大陸に渡り、そこでも様々な健康法を試してみましたが、納得できる治療法には、出会えませんでした。アメリカを出てから6年後に再びアメリカに戻って、自分で独自の方法を考えようと思いました。試行錯誤の末、彼の確立した方法は簡単です。ざっと言えば、次の4項目です。
① お腹がへって、我慢できなくなるまで待って食べる。
② その時に最も食べたいものを食べる。
③ 口に入れた食べ物は良く噛んで唾液としっかり混ぜ、ドロドロになって自然に喉に流れ込むまで噛む。
④ 食事中は食べることに集中し、食べることを心から楽しむ。気にかかる事があっても一切そのことは考えない。
自分で編み出した食事法を続けた結果どうなったかと言うと、5ヶ月で体重は27.5kg減り、腹囲は152㎝が90㎝にまで小さくなりました。それで自転車に乗ったり、ウォーキングをはじめたりしました。そのおかげで、筋肉もつき、持久力、体力とも驚異的に向上したのです。50歳になった彼は、30歳のスポーツマンで自転車好きの若者と体力と持久力の競争をしました。若者は1日で159㎞走るのが限度でしたが、彼は何と1日で300㎞を完走しました。そして次の日も悠々と自転車で走ったのです。筋肉の痛みや疲れは殆どなかったのです。
自分の健康法に自信をもった彼は「噛む健康法」というテーマで英国で講演を続けていました。ある講演会の後であるお医者さんに、そのお医者さんが苦しんでいる痛風の件で相談を受けました。彼は「噛む健康法」について詳しく説明し、実行することを強く勧めました。試しにやってみると、4ヶ月ですっかりその痛風が快癒(かいゆ)したのです。このような事があり、英国で彼のもとには講演依頼が殺到しました。英国の名門大学であるケンブリッジ大学で彼の理論に基づき色々な実験が行われました。その結果、彼の理論が正しいと言う事が証明されました。この実験の成果によってヨーロッパ中で彼は有名になりました。
彼は日本ともかなり ゆかりが深いのです。彼は文化や芸術が大変好きで、特に日本の美術に関心がありました。30歳の時に来日し、横浜に住居を構え、家財道具等も買い揃えました。2年ほど滞在しました。北九州の若松の石炭王、佐藤慶太郎氏もフレッチャー氏の噛む健康法で健康を回復した一人です。佐藤慶太郎氏は東京都美術館の前身である東京府美術館の設立に必要な資金を個人で寄付した人物です。佐藤慶太郎氏は自分を健康にした咀嚼(そしゃく)減食主義による健康生活の普及を自分の晩年の使命だと受け止め、各方面へ働き掛け、大いに貢献しました。佐藤慶太郎という人は石炭事業で大成功し、それで得た巨万の富を公の為に惜しげもなく使う立派な大人物でした。北九州の炭鉱王にはそんな人物が結構います。
さいごに
何故、良く噛むとそんなに健康に良いのかという事を考えてみました。
第一は食べ過ぎないという事。過食しないから内臓脂肪がたまりません。
第二に良く噛むと口の中に入れた食物が細かく砕かれ、潰されます。そして、唾液がたっぷりと出てきます。唾液には炭水化物を分解する消化酵素のアミラーゼや粘り気のあるムチンというたんぱく質も含まれています。このムチンは食べ物と混ざる事で、食道を通る時の潤滑剤となり胃の粘膜の保護もします。唾液に含まれるリゾチームというたんぱく質には殺菌作用があり、細菌の繁殖を防ぎ口の中を清潔に保ってくれます。又唾液は歯の間に残った食べかすを洗い流したり、口内のpHを中性にして虫歯を防いだりします。唾液中にはリンやカルシウムが含まれており、歯のとけた部分を修復する作用もあります。
このように素晴らしい機能を持った唾液を、良く噛むことによって沢山出させ、十分にその役割を発揮させる事が出来るのです。このようにして最良の状態で次の消化器官である胃に咀嚼(そしゃく)した食べ物を送り込む事によって、胃も無理なく自分の役割をしっかり果たす事が出来ます。
第三に良く噛むと すりおろしたときと同じ効果が出て、食物の細胞膜が壊れ、その食物の持つミネラルやファイトケミカルや酵素がたっぷり出てきます。そして、それらの微量栄養素が健康に大きく寄与するのではないでしょうか。
*おもな参考文献*
「噛み方健康法」 正食協会編
「フレッチャーさんの噛む健康法」 市来英雄著 医歯薬出版株式会社
「佐藤慶太郎伝」 斎藤泰嘉著 石風社
「美しい人体図鑑」 主婦の友社
「人体図」 ニュートンプレス
「やってみました!1日1食」 船瀬俊介著 三五館
「3日食べなきゃ、7割治る!」船瀬俊介著 三五館
「「酵素」が免疫力を上げる」 鶴見隆史著 永岡書店
「春山茂雄71歳!体内年齢28歳のレシピ」 春山茂雄著 光文社
寺本麓人
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