スパイス界の古参スター「クミン」の使いこなし術
わたしはここ2年ほど、南インドやスリランカ系のスパイスたっぷりのカレーを食べ歩くことにハマっています。そんなスパイス好きが高じて、最近では自宅でもスパイスやハーブをたっぷり使ったカレー作りに挑戦しています。深夜にタマネギを刻み、炒めている時はふと切ない気持ちになってしまうこともありますが(笑)
そんな2017年の力作がこちら!
みなさんもご存知のとおり、スパイスやハーブには料理に刺激や深み・爽やかさなどの味覚を与える効果があります。でもスパイスの魅力はそれだけではありません。リラックス効果、腸を安定させる効果、食欲をアップさせる効果など、カラダにうれしい効果もたくさん期待できるのです!そんな中でも、今回はカレー好きが最初に出会うスパイスであり、スパイスの原点とも言える“クミン”の魅力をご紹介します♪
目次
- ホールスパイスorパウダースパイス どっちが良いの?
- スパイス界きっての古参スター「クミン」って?
- 「クミン」は美と健康の強い味方
- カレー以外にも大活躍!「クミン」活用術
- まとめ
ホールスパイスorパウダースパイスどっちが良いの?
スパイス初心者がまずぶつかる壁、それは「ホールorパウダーの壁」ではないでしょうか。わたし自身、「さぁカレーを作るためのスパイスをgetだ!」と意気揚々と買い物に繰り出し、ずらりと並んだスパイスコーナーで「クミンシードとクミンパウダー、どっちが使い勝手がいいの?」という疑問に突き当たりました。
結論から言うと、ホールorパウダーを選ぶ基準は、あなたが「どんな料理を作りたいか」次第であり、その用途によって使い分けるべきものです。そもそもホールスパイスとパウダースパイスの違いは、「素材をそのまま乾燥させたもの=ホール」か、「それを粉砕したもの=パウダー」かという形状の違いです。ホールスパイスは、丸ごとの状態なので大きさも形も、調理後の歯ごたえや舌触りもさまざまです。パウダーと比べると精油成分を引き出しにくく、じっくりと風味を引き出す煮込み料理に適しています。炒め料理では油にホールスパイスを入れて熱し、油にスパイスの香りを移す「テンパリング」を経て、使用するのが一般的です。
一方のパウダースパイスは、すばやく香りをつけることができ、色付けも得意です。粒子が細かくなっているので混ざりやすく、臭み消しのために素材に練りこんだり、下味付けや仕上げに振りかけるのにも便利です。
コーヒー豆を思い出してもらうと分かりやすいかと思いますが、スパイスもホールものの方が保存性が高く、挽いてしまうと2か月ほどで香りが飛んでしまいます。ですからホールで購入し、パウダーとして使いたい場合は直前に乳鉢やミルで挽くのが理想的です。挽き立てのスパイスは鮮烈で強い芳香を放ちます。
スパイス界きっての古参スター「クミン」って?
クミンはエジプトなどを原産とするセリ科の一年草で、緑がかった茶色の種子がクミンシード、それをパウダー状に粉砕したものがクミンパウダーです。世界的に最も古くから栽培されているスパイスの一つと言われ、紀元前16世紀の古代エジプトの医学書にも記載があり、お腹の病気を治す薬の材料として登場します。つまり、クミンは3600年近くも前から使われていたのです!古代ギリシアや古代ローマ、中世ヨーロッパにおいても薬用(胃腸の薬、駆風薬、利尿剤)や美容、食卓に備え付ける薬味、スキンケアやヘアケアのおまじないとしても用いられてきた歴史があります。
わたしとクミンの出会いは2年前、ふらりと立ち寄ったカレー屋さんで付け合わせのキャベツがとっても美味しく、「このキャベツの美味しさに感動しました!」と伝えたところ、「クミンと塩で和えただけ」と言われたことです。クミンは生野菜と和えるだけで魔法のような美味を生み出すことができるスパイスなんです。「スパイスの道はクミンに通じる」「スパイスはクミンに始まりクミンに終わる」と言っても、決して過言ではないのです!
「クミン」は美と健康の強い味方
クミンはビタミンA、C、E、B2、B6など、各種ビタミンを豊富に含む食材です。抗酸化成分である「クミンアルデヒド」「リモネン」などが含まれています。香り成分「クミンアルデヒド」は心地よい香りが特徴で、消化器官を刺激するため、食欲増進や消化促進、腸内ガスの解消などの効果があるとされています。また、胃痛や腹痛などにも効果があるようです。また、柑橘類とも共通の香り成分「リモネン」は、脳のα波を発生させる作用が期待されており、リラックス効果を望めます。さらに、近年の研究でクミンにはダイエット効果や肌の老化予防などアンチエイジング効果があることが分かってきました。これは、老化の原因である糖化を抑える作用があるためであると考えられています。
インドの伝統的医学“アーユルヴェーダ”では、クミンは食欲増進や消化促進などの作用があるとされ、古くから煎じてハーブティーとして愛飲されてきました。
クミンティー
- クミンシード(小さじ1)を深煎りします。
- コップ1杯の水(200〜300ml)にクミンシードを加え、3~5分ほど煮立たせます。
- 茶漉し等で漉して完成。少しマイルドにしたい場合は、煮出すのではなく、沸かしたお湯をコップに注ぎそこにクミンシードを少量入れフタをします。しばらく待ち、水を少量加えて飲んでみてください。
ジャルジーラ(クミンウォーター)
- ※サンスクリット語で、ジャル=水、ジーラ=クミン
- コップ1杯の水(200〜300ml)、クミンパウダー(小さじ1/2)、レモン汁(1/2個分)、塩こしょう(少々)を混ぜるだけ♪
- お好みでミントの葉を加えたり、水の代わりに炭酸水を使ってもOK!
カレー以外にも大活躍!「クミン」活用術
クミンは、ターメリック、コリアンダーパウダーなどと合わせて、インドカレーには欠かせないスパイスですが、サラダや炒め物とも相性抜群のオールラウンドプレーヤーです。ニンジン、キャベツなどの生野菜と和えるだけでもシンプルに美味しく、炒め物にさっとひと振りすると、エスニックな一品に変身します。
キャロット・ラペ
【ニンジンの千切り+クミンシード】
フレンチの定番デリですが、クミンをプラスして風味アップ♪写真ではダイコンも入れてみました!
ポテトのホットサラダ風
【茹でたジャガイモ+クミンシード】
サラダ油+クミンシードを熱してパチパチとしてきたら、茹でたジャガイモを投入!
ヨーグルト
【ヨーグルト+クミンパウダー】
ヨーグルトにクミンパウダーをふりかけるだけ♪クミンダイエットとして話題になった組み合わせです。
バナナ
【つぶしたバナナ+クミンパウダー】
夕飯のデザートはつぶしたバナナにクミンパウダーを小さじ1杯♪クミンとバナナを組み合わせることで睡眠ホルモンの生成が促されます。
まとめ
いかがでしたか?改めて、クミンはとっても魅力的なスパイスだなと感じます。
ただし、摂りすぎには注意が必要で、1日3g程度が適量とされています。妊娠中および授乳中にも摂ってはいけないということはありませんが、繊細な時期ですので過剰摂取にはとくに注意が必要です。また、セリ科の植物にアレルギーがある人やクミンに含まれる成分にアレルギーがある人も摂取は避けましょう。
クミンポテトチップスやクミン塩などの商品も登場し、ひそかに人気が高まっているスパイス“クミン”。ぜひみなさんも日常に取り入れて、美しく健やかなスパイスライフをお送りください!
Kiranah Life(キラナライフ)編集部
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