化学的に解説:料理のさしすせそ、なぜこの順に使うのか?
みなさんご存知の、料理の「さしすせそ」。
料理をするときの調味料を使う順番として教えられてきました。
なぜこの順番に使うといいのか?化学的に解説していきたいと思います。
目次
- ~さ、し~
- ~す~
- ~せ、そ~
- さいごに
~さ、し~
最初に使うといいのが、「さ」砂糖です。
そして次に来るのが「し」塩になります。
まず、この二つで見たときに、なぜ砂糖を先に入れる必要があるのでしょうか。
それは、分子の大きさによるものなのです。
砂糖はショ糖またはスクロースとよばれる比較的大きな分子が主成分です。
それに対して塩は、塩化ナトリウムという小さな分子が主成分です。
塩化ナトリウムは水に溶かすと、ナトリウムイオンと塩化物イオンに分かれて溶けます。
分子が大きければその分、具材にしみこむ速度も遅くなってきます。
そのため、塩を先に入れたり、同時に入れたりすると、塩の方が先に具材にしみこみ、砂糖がしみこむ余地が少なくなってしまうのです。
~す~
3番目に来るのが「す」お酢になります。
お酢は、酢酸と呼ばれる分子が含まれています。
酢酸は、揮発性が高く、お湯の中に入れると飛びやすい成分です。
あまり早く入れると、つけたかった酸味が失われてしまいます。
~せ、そ~
料理の終盤に味付けとして入れるものが、「せ」醤油と「そ」味噌になります。
醤油も味噌も、旨味成分としてのアミノ酸が豊富な調味料です。
加熱しすぎるとアミノ酸は分解されやすいため、旨味を失ってしまいます。
また香りも飛んでしまいます。
醤油や味噌を使う際は、火を止めた後に入れるとより活かされるでしょう。
さいごに
料理のさしすせそ、なぜこの順番に使うといいのかをご紹介してきました。
あくまで、この順番は基本的なものです。
醤油や味噌をしっかりしみこませたい料理も中にはあります。
最初の方に、醤油や味噌を入れ調理し、最後に少し追加するのもありです。
それぞれの役割や構造を知っておくことで、基本的な使い方も、応用的な使い方もできると思います。
料理のさしすせそ、うまく使いこなしてみてください。
matsuki_takahiro
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